NPO法人フリースクール全国ネットワーク(以下フリネット)は人権侵害再発防止対策について基本指針を2020年7月15日に発表しました。その後理事会にて検討を重ねた結果、フリネットの子どもの権利擁護に関する取り組みとして、2020年11月2日に「子どもの人権擁護に関する調査検証委員会」(以下調査検証委員会)の設置に致りましたのでご報告いたします。
当初、東京シューレで起こった性加害事件の事件検証を検討しましたが、当該事件が発生から相当長期間経過しておりかつ裁判により和解で終結していること、フリネットが加盟団体に対する調査権限を有していないことから、調査検証委員会として独自に当該事件に関して調査を実施して客観的・中立的な検証を行う事は困難であると判断いたしました。
今回の調査検証は、フリースクール運営にあたっての性被害を始めとした人権侵害の未然防止のあり方について公開されている同種事件記録や文献の調査、関係する団体・当事者からのヒアリング等を行い、人権侵害の未然防止のための運営方法・仕組みや、万が一人権侵害事件が生じてしまった場合における適切な被害者保護や調査検証、情報開示のあり方を検証していきます。
また、併せてフリースクールへの社会的信頼の確立を目的とし、今後フリネット加盟のフリースクール団体が順守するフリースクールポリシーの策定、事件発生時のフリネット理事会の対応についても調査検討してまいります。
委員の構成は外部委員として安井飛鳥(弁護士、社会福祉士)坪内清久(弁護士)末冨芳(日本大学教授)の3名にご協力いただくことになりました。またフリネットからは代表理事の中村と、理事の前北が委員になる事になりました。中村理事長は委員長として調査検証委員会に参加しますが第三者性を保つために議決には参加しないものとします。
調査検証結果におきましては、2021年度フリネット定期総会を目処にとりまとめ、当法人HP等でご報告させていただきます。
記
1.目的
NPO法人東京シューレで起こった性加害事件を通して子どもの人権侵害が起こる構造に関して検証を行う。また、フリースクールが守るべき子どもの人権擁護の取り組みを、NPO法人フリースクール全国ネットワーク加盟団体と共有し、フリースクールの社会的地位確立に寄与することを目的として、子どもの人権擁護に関する調査検証委員会を設置する。
2.主な調査検証内容
(1) 東京シューレ令和2年2月10日の声明から見える構造について
(2) 今後のフリネット加盟団体が順守するフリースクールポリシーについて
(3) 一連のフリネット理事会の対応について
3.構成
委員長:中村 尊(フリネット代表理事)
副委員長:安井 飛鳥(弁護士・社会福祉士)
委員:末冨 芳(日本大学教授)、坪内清久(弁護士)、前北海(フリネット理事)