「フリースクール等における在宅支援も含めた個別支援の実践事例集」は、フリースクール全国ネットワークに加盟するフリースクール等の団体の活動を、「ひとりひとりの子どものストーリー」に焦点を当てて紹介することにより、それぞれの団体により、あるいは関わる子どものニーズによって変わる多様な支援の中にある「共通点」「大切にしている事」を見出し、「フリースクール」の目指すべき方向性や意義、不登校の子どものみに限らない「子どもの学びと成長の支援」のあり方について考える際の参考にしていただくことを目的として、文部科学省からの委託事業の一環として作成いたしました。
多くの方にご活用いただけるよう、インターネット上では無料公開をしております。
リンク、シェアも歓迎ですので、どうぞご活用ください。
※報告集そのものではなく、このページhttps://freeschoolnetwork.jp/wptest/p-etc/1876へのリンクをお願いいたします。
■報告集執筆団体に対する追加の調査について
また「実践事例報告集」の中では読み取りが難しかったいくつかの点について、追加の調査も実施いたしました。
入会時の手続きについては、事例報告執筆団体の8団体中7団体が以下のような回答でした。
・入会時の面談を「本人」「保護者」双方に対して行っている。
・入会をするか否かの意思確認も、必ず「本人」に対しておこなっている。
そして、本人に対する入会時の面談、入会の意思確認を行っていないと回答した団体も、入会前の体験見学の段階で丁寧に確認し、本人の希望や様子をつかんでいるという事がわかりました。
さらに「保護者への支援」についても、8団体すべてが面談、電話相談等の形で保護者からの相談を受け、さらに保護者会も実施していることがわかりました。
フリースクールの活動をつくっていくための、子どもとスタッフによる「ミーティング」も8団体中7団体が実施。
「季節の行事・イベント等」の相談に加え、「フリースクール内のトラブル・困りごとの解決」、「日常のプログラム」も7団体すべてがミーティングの議題としていること。フリースクール内でのルール、決まりごとについても6団体がこの「ミーティング」に委ねていることがわかりました。
「ミーティング」という仕組みをつくっていない一団体についても「利用者の間で自然発生的に始まる活動を重視しているため」ミーティング等の仕組みはつくっていないとのことで、「子ども中心・子どもからはじまる活動」を重視しているところは他の7団体と共通しているといえるでしょう。
ネットワーク加盟団体の中でも1割程度に向けた調査であり、全てのフリースクール等がこのような活動をしているという事を保障するものではありませんが。「通うこと、所属することを強制される場ではないこと(子ども本人が選ぶ場であること)」「保護者への支援も同時に行う場であること」「子ども中心の活動の場であること」という、フリースクールのひとつのあり方をしめす結果となりました。