2016年6月25日、26日の2日間にわたって開催された第9回JDEC(日本フリースクール大会)は、参加者延べ188名で無事終了いたしました。
6月25日(土曜日)は、「『教育機会の確保に関する法律』と国のフリースクール等検討をめぐって」をテーマとして二つのパネルトークを実施。
一回目のパネルトークでは、フリースクール運営者、保護者、卒業生に、それぞれ学校外の学びの場や「教育機会確保法」についての思い、どのように活用したいかをお話しいただきました。
二回目のパネルトークは、全国適応指導教室連絡会、文部科学省、東京都教育庁、区議会議員(葛飾区)、そして「学校・フリースクール等連携協議会(神奈川県)」の活動で行政との連携の実績をもつNPO法人楠の木学園、それぞれの立場から、現在国やそれぞれの自治体で検討されている学校外の学びの支援の制度について、そしてその制度を動かすために必要不可欠な「民間と行政の連携」について語っていただきました。
二つのパネルトークの後は、参加者同士小グループに分かれてのディスカッションと、全体での意見交換会。「部活を選ぶ時、野球部かサッカー部かを選ぶように、学校に行くのか他で学ぶのかを選べるようになったらいい」、「法律も、いろんな仕組みも、まずは不登校の子どもたちが助かったり、自信を持てるようなものであってほしい」、「法律を『どう使うか』ぼくたちや子どもたちが学びたいことを学ぶ、行きたいところに行く、生きたいように生きるということを重視した考えをもっているひとが多くてよかった」など、印象的な言葉をたくさんいただきました。
6月26日に(日曜日)は、「フリースクールの子ども中心の学び」をテーマに、子ども・若者シンポジウム、現役スタッフ同士による実践交流、参加者全員でのテーマ別分科会を実施。
子ども・若者シンジウムでは3つのフリースクールに実際に通っている子どもと、ホームエデュケーションで育った若者が登場。前半はそれぞれのフリースクールの活動の様子をビデオで見た後、それぞれの不登校経験からフリースクール(ホームエデュケーションというやり方、考え方)に出合うまで、そこでどんな活動をしていてどこが良いのかをたっぷりと語ってもらいました。
テーマ別分科会は「子ども中心の学びをどうつくるか」「ホームエデュケーション」「世界のオルタナティブ教育」「不登校とフリースクール」「フリースクール・不登校支援と教育制度」「参加者からの持ち込みテーマ(発達障害について)」の6つのテーマに分かれ、それぞれ15名程度の少人数でそれぞれの実践や考え方について意見交換を行いました。
パネリスト、シンポジストの皆様、分科会等で実践や事例の報告をしていただいたみなさま、そしてすべての参加者の皆様、どうもありがとうございました。
今後、「教育機会の確保に関する法律」は次の国会で審議が再開される予定です。また、文部科学省の「フリースクール等に関する検討会議」「不登校に関する調査研究協力者会議」や、それぞれの自治体での取り組みなど、不登校の子どもや学校外の学びをとりまく政策・制度が大きく動こうとしているいま、フリースクール全国ネットワークは、これからも多くの皆様とつながりながら、誰もが生き生きと自分らしく学び・育てる社会の実現に向けて活動を続けていきたいと考えています。
2016年6月28日 NPO法人フリースクール全国ネットワーク
第9回JDEC(日本フリースクール大会)開催概要
■日 時:2016年6月25,26日(土,日)
■会 場:東京シューレ葛飾中学校(東京都葛飾区)
■参加費:6,000円(2日間)/3,500円(1日)
■対 象:フリースクール等のスタッフ、保護者、メンバー、その他関係者。
フリースクール等の実践を知りたい学生、教員、教育相談員。
不登校の子をもつ保護者、支援者、その他関係者。
■主 催:NPO法人フリースクール全国ネットワーク
■JDECチラシデータ
■チラシデータ(裏面)